花から果実、そしてジャムの季節へ

花の季節から果実の季節へ。
夏の太陽を浴びて、水分をしっかりと抱きかかえたフルーツたちが、まぁるい笑顔を見せてくれる季節がやってきました。


四季折々、季節のフルーツを食べるのは大きな楽しみの一つです。

特に、夏から秋にかけてはたくさんの果物が旬を迎えます。
桃、ぶどう、メロンにプラム。柑橘類やベリー系の果実もたくさん市場に出回るようになります。

そのまま食べたり、コンポートやジャムにしたり。
フレッシュな果実を堪能したら、あとは新鮮なうちにジャムにします。

ヨーグルトに添えるとやわらかな甘味を感じさせてくれます。
アイスクリームと一緒になると爽やかな酸味を運んできます。
もちろんパンとの相性は言うまでもありません。

ジャムって万能。
そう思いませんか?

その中でも好きなのが「ブルーベリー」。
私が子供の頃、見かけることはあまりありませんでしたが、最近は各地で栽培が盛んになり、すっかり身近なフルーツになりましたね。


この夏、ブルーベリー畑を管理されている方からお誘いをいただき、生まれて初めての「ブルーベリー摘み」を体験しました。

そこは山の中腹にある風通しの良い場所でした。
畑に続く細い山道を登っていくと、やがて視界が広がり、たくさんのブルーベリーが出迎えてくれました。

一つの房にも、様々な色の実がなっていました。
若々しい緑、可愛らしい赤、爽やかな紅紫、深みをたたえた濃青色。

色が濃くなり、黒に近づくと収穫のサイン。
他の若い果実を落とさないように丁寧に摘んでいきます。
まだ赤い実も1週間程度で黒く熟してくるそうです。

どの苗木も枝ぶりがよく、果実は一つ一つが大きくとても張りがあって、管理が行き届いている印象を受けました。
きっと土作りからこだわって大切に育てられているんでしょうね。

愛情と太陽をたくさん浴びて育ったブルーベリーが摘めるなんてありがたいことです。

私は一つ一つの果実に話しかけるように摘んでいくうち、気がついたらブルーベリーでカゴはいっぱいになっていました。

こうして私の「初めてのブルーベリー摘み」は無事に終わったのです。

さあ、心を込めてジャムを作りましょう。

そのまま食べるのもいいですが、ジャムにするとその果実を長く味わえるので好きなのです。

新鮮な果実は、ジャムにしてもその新鮮さを感じることができます。

今回は酸味のある品種だったので、砂糖を加えました。
灰汁をこまめに取り、果実を崩さないよう弱火でコトコト煮込んでいきます。

焦げないようそっとかき混ぜながら、煮込むうちにとろみがついてきました。
すくい上げたときに「とろっ」とした感じになればOKです。

熱いうちに瓶詰めしたらできあがり!

熱い瓶を逆さまにしておくと瓶内が真空状態になってくれるので常温保存が可能ですよ。

ジャムは決して主役ではないけど、手作りのケーキやパンを引き立ててくれる名脇役。
なくてはならない存在です。
ラベルを貼って、お友達にもプレゼントしましょう。

ジャムのいいところは、たくさん作りすぎても大丈夫なこと。
イチゴやリンゴ、桃、梅などの果実を加えて更に煮込むとミックスジャムに。
このミックスジャムは朝食に欠かせないんです。

朝の食卓にはフルーツとヨーグルト。
そこにこのミックスジャムをトッピングするのです。
これがとっても美味しいんです。

フルーツの甘味とヨーグルトの酸味。
ジャムに溶け込んだ様々な甘味と酸味。
それらが交互に舌の上で踊ります。


手間ひまかけて育てられた果実を、手間ひまかけてジャムにする。

この瓶が空っぽになるまで、私の夏は続きそうです。