手織りの折敷(おしき)

 

しとしと降る冷たい雨が雪に変わりました。
山は雪のコートを羽織り、家々の屋根はうっすらと雪化粧をしています。

家の中ではストーブが赤く染まり、小さなクリスマスツリーを飾って季節を楽しむことにしました。

 

 

寒い季節ですから食事は温かいものが良いですね。
美味しく作ろうとすることは大切ですが、料理を盛り付ける器やそれに合った敷物を用意するのも楽しみの1つです。

 

 

子どもがまだ小学生だったある日のことでした。


食事の準備が忙しく、いつも敷いているランチョンマットを使わずに食器を並べ始めた時「お母さん、忘れてるよ」といって子どもがランチョンマットを敷いてくれたことがありました。

とっても些細なことですが、マットを敷いて食事をすることに心地よさを感じていたのでしょうか。
うれしく思ったことがありました。

 

 

古くから日本では折敷(おしき)といって、食事の際には食器をお盆の上に乗せていました。
樹の葉などを折り敷いていた習慣が残ったといわれています。
私もそれに習い、漆塗りや自然木のトレー、布などを使用しています。

 

 

手織りをするようになり、自分で織った綿のマットを使うことが多くなりました。料理の種類や器の雰囲気に合わせて大きさや色合いを楽しむことができます。

以前に私の手織りを買ってくださった方や、プレゼントした知人は「汚れたら困るので来客用にしています」という方が多く少しさびしく思っています。

 

 

普通の綿生地だと洗うとしわになりアイロンが必要ですが、ふんわりと織った生地は汚れてもキッチンで手洗いすれば汚れも落ちやすく、洗い終わったらタテヨコに軽く引っ張って成形し干しておけばそのままアイロンなしで使えるのです。

テーブルが傷つくのを防ぎ、ふんわりと優しい食卓を演出してくれる手織りのマット。
来客用と言わず、ぜひ日常使いしてほしいものです。
使ったら使った分だけテーブルに馴染み、風合いを感じることが出来ます。

 

 

ブログを書いていると夢中になり
すっかり冷えてしまいました。

今夜はクリームシチューがいいかな。
器、スプーン、そして織マットはどれにしましょうか。

 

 

ささやかな幸せを感じる大切な時間。

それらは手作りとほんの少しの工夫から
生まれてくるのかもしれません。