伝える

琵琶湖

2022年も12月に入り雪がちらつき始めたと思ったらあっという間に年の瀬。

今年はさまざまな出会いがあり活動的にすごすことができました。
おかげさまで、こころ穏やかな1年でもありました。

夫が旅立って早3年。

つらい事もたくさんありましたが少しづつ現実を受け入れることができるようになってきたように思います。

「次のブログはいつ書くの?」夫はいつもわたしにそう尋ねてきました。
その声が聞こえるような気がしてペンを執る機会を増やしていこうかと考えています。


数年前、びわ湖湖西の伝統的な暮らしと道具を展示する会に興味があり参加させていただきました。

地域で使われていなかった古民家が会の方々や職人さんなど多くの有志によって修復を重ねられ、見違えるほど立派な展示用古民家に生まれ変わる様子を目の当たりにしてきました。

むかしは道具も手作り。

展示されている道具を間近に見て触れるたびに先人たちの知恵や工夫の痕跡を興味深く感じ取ることができます。

利便性と合理性を重んじる時代の中、この古民家の存在は過去の暮らしの良い部分を肌で感じられる貴重な場所です。現代の子どもたちや若い人々に「伝えることのできるなにか」を残すことができれば幸せに感じます。

「伝える」 そのひとつの目的がさまざまな人と知恵を集積し大きな力になる。

その中に自分がいることに誇りを感じるとともに、出会いそのものに深く深く感謝しています。


この古民家に愛着を感じていたわたしは自分なりになにかしらの彩りを添えたいそう思うようになり、長らく織物をしてきた経験を活かし古民家に飾るタペストリーを制作しようと思い立ちました。

古い着物の生地を細かく裂き、ヨコ糸として使います。

タテ糸は、湖西の豊かな自然と美しい風景の四季の移ろいをイメージした色のものを選び想いを込めて織り込みました。

現在、出来上がったタペストリーは古民家で展示していただいています。

うれしいことにそのタペストリーを見て興味を持っていただいた方がいらっしゃいました。

幸いにご縁があり織物体験をお手伝いさせていただいたりお話し相手としてもお付き合いいただき、たくさんの元気を頂戴しています。


わたしにもまだできることはある。
わたしだからできることがある。

 

それは何なのか。
日々の暮らしの中で考え見つけることができれば、それほどうれしいことはありません。

 

このブログを通じて誰かに伝えることができれば、それが誰かの役に立てば幸せなことだとわたしは思います。

冬晴れの空。2023年もこんな透き通った心ですごしたいですね。