寒かった今年の冬がうそのように暖かく気持ちのよい季節になりました。
春は足元からやってくるといいますが、文字通り雪の消えた道端にはいつのまにか雑草が顔をのぞかせています。
庭に目を移すとムスカリやドロップなどの球根類に加え、かわいらしい菫の花が咲いています。
木々の枝には新しい芽が春の風を受けてゆらゆらさわさわ。
とっても楽しそうです。
我が家のシンボルツリーである桜は例年よりずいぶん早く咲き始め、いっきに満開を迎えました。寒い冬の冷たく強い風や雪に耐えた分いつもより華やかに咲いているように感じます。
今年はお天気の良い日が続いたため、つぼみから満開まではあっという間でした。
つぼみが丸く膨らんだ様子は笑っているようで可愛らしいものですが花が咲くと世界が明るくなったような気がします。
花の期間はいつもより短かかったものの今年も存分に私たちを楽しませてくれました。
そして早くも風と雨でひらひらと美しく散りはじめています。
桜がこれほど心を和ませてくれるのは、わずか数日間の出会いだからでしょうか。
我が家の桜を通りがかりの方々も「きれいですね」と目を細めながら見上げています。
束の間ですがみんなを楽しませてくれる桜に「ありがとう」の気持ちでいっぱい。
この感謝の気持ちが、枝の隅々にまで届いてくれることを願います。
桜に限らず植物は私たちの目だけではなく心までも楽しませてくれます。しかしその分年間を通じて「見守る」ことが重要です。
毎日、「元気で機嫌よくしているかな」と思いながら見て回ります。
これまでたくさんの失敗を重ねて覚えたこと、それらの経験を活かしながら丁寧に手をかけ声をかけます。
夏や冬の作業は思いのほか大変です。土を増やしたり、根っこを見たり、枝切りをしたり。
誰が最初にいったのはわかりませんが、「植物は心から寄り添うとそれに応えて元気に育つ」と。それは私自身も実感するところです。「ちゃんと声と心は届いている」そう思います。
とはいってもまだまだ勉強不足。
お世話をしているつもりがたくさん元気をもらうのはいつも私の方。
さあ、今日も元気をいただきに「見守り」に出かけましょう。