一人分の食卓

2021年を迎えました。
私の住む滋賀県湖西地域は昨年末から3度の積雪があり雪かきに追われる日々。
明日は大寒。文字通りの寒い日が続いています。
そんな中ですから、たまに暖かい日があるとホッとしますね。


2019年に夫をなくしてからは一人で暮らしています。
これから自分はどのように生きたいのか?どう生きるべきなのか?
自問自答を繰り返す時間でもありました。

家族をはじめとして「誰かのために何かをする」ことが当たり前だった私にとって一人暮らしは戸惑うばかり。
一人になって初めてスーパーに買い出しにでかけたときもそうでした。
カゴに入れようと手に取る食品は夫のためのものばかり。
「料理をしても食べてくれる人はもういない」その事実に改めて気付かされたとき、私の思考は停止してしまい呆然とするしかありませんでした。

そんな私の心中を察してくれたのでしょう、娘がこう声をかけてくれました。

「これからはお母さんの好きなものを買えばいいのよ」と。

その言葉は今でも心に深く刻まれています。
買い物、食事作り、一人の食卓に慣れるまでとても時間がかかったように思います。


一人になっても白菜やキャベツ、レタスなどの野菜はカットしたものではなく丸ごと買います。一人分の食事はほんの少しですが、色んな種類を食べたいので買い物のあとはさまざまな下処理をして保存しておきます。

今日は少しご紹介しますね。

例えばキャベツ。丸ごとのキャベツは縦に切ることが多いと思います。実際、スーパーでは縦にカットされていますよね。
私は縦ではなく横にカットします。つまり下(根に近い部分)と上(葉に近い部分)に分けるのです。

上の部分はサラダや炒めものなどパリパリシャキシャキ食感を楽しむ料理に使います。上の部分は柔らかくかさが減りやすいので案外すぐに消費できるのでそのまま冷蔵庫へ。

下の部分は繊維が固く甘みがあるので、無水での蒸し料理や煮込み料理に向いています。消費するのに時間がかかるのでさっと茹でて冷凍しておきます。

他の野菜も彩りが悪くならないよう、新鮮なうちにさっと湯通しして冷凍しておきます。そうしておくと料理の際、時短につながります。

レンコンは薄切りにして素揚げしておくとサラダやパスタのトッピングに使えて便利です。


素材を活かすためいろんな保存方法がありますが、私のおすすめは「ビン詰め」です。

ビン詰めというと、ピクルスやメイソンジャーを想像する方が多いと思います。いずれも家庭で簡単にできるので便利ですよね。
私が特におすすめするのはオイル漬けです。
なかでも「牡蠣」「きのこ」はとっても便利。

牡蠣のオイル漬け

◯ よく洗った牡蠣をさっと湯通しして水気を切る
◯ 多めのオリーブオイルで弱火で煮る
 *にんにくスライスや鷹の爪を入れると風味が増します。
◯ 塩コショウ、オイスターソースで味付け
 *調味料は入れすぎないよう気をつけましょう。
◯そのまま瓶詰めして冷まして完成!
★ 冷蔵庫で1ヶ月は持つと思います。


キノコのオイル漬け

◯キノコを大きめに切る
 *色んな種類を入れましょう!
◯刻みニンニクと刻んだオリーブの実と一緒にオリーブオイルで炒める
◯塩コショウで味付け
◯ビン詰めしてオリーブオイルを注ぐ
★ オレガノやタイム、カレーなどスパイスを工夫すればいろんなパターンができて楽しいですよ!

その他にも牛肉とごぼうのしぐれ煮やゆず大根などの漬物もビン詰め。


他にいい方法はないかな?あれ試してみようかな?などと考えているうちにアイデアが浮かんできて試してみる。
そんなことを繰り返すうちに一人の食卓も彩りが豊かになり楽しめるようになったと思います。

食べることは、生きるために必要不可欠なことですから楽しみたいですよね。
心からそう思えるようなれたらいいな。
少しづつ少しづつでかまわないから。


でもね、

やっぱり、

誰かのために考えてお料理することが一番楽しいかな。

私はそう思います。