「大飯原発3号機再稼働」の紙面を見てやりきれない気持ちでいっぱいです。
2011年3月に発生した福島第一原発事故から今年で丸7年。
事故を起こした2号機の全容はいまだ見えず、放射能漏れを防ぐために日々発生する汚染水の処理も貯まる一方で、廃炉への道筋はまったくつけられていません。今も、事故は続いているということを痛感します。
事故によって故郷を追われ慣れない土地で暮らす方々は、この現状をどのように感じていらっしゃるのでしょうか。
廃炉へ向けた現場で働く作業員の皆さんは内部被曝の危険ととなり合わせの作業です。皆さんの安全は確保されているのでしょうか?
安全、安価、クリーンとうたっていた原発が事故を起こして国民を危機に晒し、いざ廃炉にしようとすると莫大なお金がかかり、処理済み燃料を貯蔵する広大な土地を必要とする。空気も水も土も汚染されなすすべもない。
歴史上みても大変なことが起きているのに、この国は原発を輸出しているという現実があります。その政策は現在も粛々と進められています。
自国が原発で大きな課題を抱えているにも関わらず、他国にそれを輸出して商売するなんて……。
色んな考え方があるでしょうし、様々な側面から見なければならないこともよく分かります。私自身が勉強不足だとも思います。
しかし、現在の政策はとうてい理解が出来ません。
安倍政権を支持することは出来ません。
唯一の被爆国であり、原発事故を経験した日本が率先して「脱原発」をうたわなければならないはずなのに。
2011年7月、ドイツでは同年3月におきた福島第一原発事故を受け、ときのメルケル政権が「脱原発」をうたいエネルギー政策を転換しました。それによりすべての原発は2022年までに閉鎖することが決まっています。また、再生可能エネルギーに関する法律も整備されました。
現在ドイツは風力・太陽光発電の開発が進み、その発電量は世界有数だそうです。
国のエネルギー政策は経済活動と直結するものですから政策転換には大きな決断が必要でしょう。また技術の開発には時間とお金がかかります。
だからといって今の日本のように足踏みしていていいのでしょうか?
危険な原子力発電を他国に売ってまでして利益を得る必要があるのでしょうか?
忘れてはならないことがあります。
命あっての経済、国民あっての国家ではないのでしょうか?
この日本には、誠意を持って国民、いや世界に向き合ってくれる政治家はいないのでしょうか?
関西電力は高浜3・4号機の再稼働に続いて大飯原発3号機も動かそうとしています。もはや市民活動レベルではこの再稼働の動きは止めることが出来ません。
政府が動かなければならないと思っています。政治が動かなければならないのです。
私の住む滋賀県は大飯原発のある福井県と隣接しています。
万が一、想定外の大事故が起きたとき風向きによっては琵琶湖も汚染される危険があります。関西圏の電力を担う福井県の原発ですが琵琶湖は関西の水瓶。そこが汚染されるようなことはあってはなりません。考えるだけでゾッとします。
ベランダから見える琵琶湖はいつのときも雄大な姿を見せてくれます。休日には多くのヨットが浮かび、湖面のさざなみが美しい青のグラデーションを描き出します。
何でもない日常の光景を大切にしながら暮らしたい。いつもそう思っています。
平和で安心して暮らせる日本、世界が実現されることを心から願ってやみません。