五月は小麦にとって実りの季節。
新しい小麦でパンを焼いてみたくなります。
初めて自分でパンを焼いてみたのは40歳くらいだったでしょうか。
もともとパンが大好きで、朝はもちろんパン派。
 お気に入りのパンやさんがあり、パート帰りによく通っていました。
 そこの食パンがとても美味しかったのです。
 ですが、人気商品のためパート帰りのタイミングではほとんど売り切れの状態でした。
「自分でパンが焼けたらいいのにな。」
 私の言葉に友達がパン教室を紹介してくれました。
 いろんな種類のパンを習って気づいたら5年も通っていました。
パン教室から帰ったら、必ず自分で焼いてみる。
 復習です。
 教室では「コネ機」を使っていましたが、家にはありません。
 ですから、手ごねです。
 それはそれはホネの折れる作業でした。
 特に夏の手ごねはほんとに大変、暑さでめまいがするほどでした。
それでも焼きたてのパンというのはとても幸せな気分にしてくれます。
 焼きあがると美味しくて嬉しくて、また焼いてみる。
 パンを焼き出すとその香りに誘われて子供たちがキッチンにやってきます。
 「いつ焼きあがるの?」
 とても、幸せな瞬間でもありました。

教室に通い始めてしばらくは手ごねでしたが、ついに念願のパンこね機を購入しました。パン焼きの回数とバリエーションが飛躍的に増えたのは言うまでもありません。
たくさん焼いて、ご近所へ持っていくこともよくありました。
 あまりにもよく配るので「家にはどれだけ残るの?」と家族に聞かれたこともあります。
仕事が忙かったりするとたまに買ってくるのですが、やっぱり自分で焼くパンは美味しい。
 材料もわかっているので安心なのです。
 いつのまにかパンを焼くのが当たり前の暮らしになっていました。
1度に4~5種類を焼いて、冷凍しておきます。
 バルミューダのトースターがいつでも焼きたてを再現してくれます。
さあ、今日はパンを焼く日。
 幸せな時間にありがとう。
