緑がまぶしい季節、風の香りや雲の形に夏の気配を感じるようになってきました。気持ちのいい晴れの季節もつかの間、曇りや雨の日がだんだん多くなってきましたね。梅雨入りが近いようです。
6月頃になると空き地や道端などに咲いている白くて可愛らしい花が目につきます。名前や香りは個性的ですが、私の好きな花「どくだみ」です。
どくだみは「毒矯み」、毒を抑えるという意味からその名がつけられました。
「矯」という字は「ためる」と読み、「曲がったものをまっすぐになおす。」という意味があります。
環境の悪い場所でも育つ強い生命力と地下茎で増えることから、雑草扱いされ嫌われることも多いのですが、個人的にはとても大切にしたい植物です。
ハート型の葉、可憐で涼し気な白い花。
一輪挿しにすると、凛とした強さを感じさせてくれます。
生薬や漢方として用いられることが多く、殺菌抗菌などの薬効作用があります。
娘がまだ子供の頃、吹き出物が出て困ったときは、庭のどくだみを摘んできて乾燥させたものを「どくだみ茶」として飲ませたことがありました。
普段見かけるどくだみは四枚花弁(正確には花弁ではありません)のものがほとんどですが、八重咲きの花や斑入りの品種もあります。
それらはとても珍しくて、見つけたときは、ほんとに嬉しかったことを思い出します。
さっそく庭の仲間に加わり、いまは三種のどくだみが競うように咲いています。
どくだみはお茶だけではなく化粧水としても使われることが多く商品化もされています。
私も自然食品のお店で買ったどくだみ化粧水を使用してその良さを実感しました。
それ以来、庭のどくだみを使って自分で化粧水を作るようになり愛用しています。
作り方は、新聞に掲載されていた記事をもとに自分流にアレンジしました。
どくだみ化粧水の作り方
● 地上部分のどくだみを刈り取ります。
収穫は花が咲きだしてすぐ位がベストです。
状態の悪い葉は取り除きましょう。
● 適当に束ねて風通しの良い日陰で干します。
● ある程度水分が抜けたら、こまかく切りまた干します。
● 乾燥させたどくだみを”米焼酎”に漬け込みます。
お肌に直接つけるものですから、できるだけ良いものを選びたいですね。
漬け込む容器はプラスチックよりガラスのほうが良いです。
ガラスのほうが温度変化に強いということが理由です。
あと、プラスチックだとその成分が溶けて出てこないか、といった不安もありますから。
● 最低3ヶ月は漬け込みましょう。
あせらないでゆっくりゆっくり。
3ヶ月も経つとだいぶ色が変わってきます。
● ガーゼでこして、グリセリンを混ぜます。
使いやすいように容器に移せば完成です。
はちみつをごく少量入れると更に保水力がアップします。
材料もシンプルで安心なので、お肌のためにたっぷり使いましょう。
植物にはそれぞれが何らかの役割を持って生きているように感じることがあります。
その役割を「個性」と呼ぶのではないでしょうか。
そういった意味では、人と植物の間には何の違いもありませんよね。
お世話したり、楽しませてくれたり、気にかけたり、なぐさめてくれたり。
まるで、友達のようです。
「ありがとう」
化粧水を使うときにも、そんな気持ちがあふれてきます。