雨の日と図書館とペダルの思い出

雨の季節。

わたしたち人間にとってはあまり歓迎されない季節ですが、植物たちは雨を恵みに生き生きとしています。

私も「心に栄養を」と思い図書館へ足を運ぶことにしました。
本というものは新しい知識や気づきを与えてくれる、いわば「先生」のようなもの。

知りたかったことを的確に教えてくれたり、今までの自分になかった考え方ができるよう導いてくれたり、感動で心の隙間を埋めてくれたり、図書館は、そんな先生たちが待ってくれている場所です。

図書館では、どうしても手元においておきたい本に出会うことがあります。そんなときは書店で注文して手元におきます。そうやって暮らしに役立てているものも少なくありません。

いままでどれだけ図書館にお世話になったことでしょう。
しばらく行かないとどうしても行きたくなる場所。
とてもありがたい存在です。

雨が降ると思い出す光景があります。
バスの移動図書館。
引退したバスの内装を改造して生まれ変わった「移動する図書館」です。

子供がまだ小さかった頃、よく通いました。
「本の好きな人になってほしい」
そんな思いからバスのやってくる公園へ。
自転車で20分、移動図書館のやってくる日は雨の日でもペダルをこいだものです。

本から得られる知識や物語が心を育んでくれると信じていましたし、間違えていなかったと思っています。

今日はどんな本に出会えるのだろう?本当に楽しみな時間でした。

色彩が美しく、やさしいことばの絵本。
子供のリクエストをうけて探した図鑑や物語。
それらを読み聞かせをしたこともよくありました。

なつかしい思い出です。
きっと本を大切にする大人になってくれたことでしょう。


雨の季節が何度もめぐり、人は年を重ねていきます。
人間に平等に与えられている機会。
私にも年老いて外出が困難になるときが来るでしょう。

そのときは近くの公民館にやってくる移動図書館でたくさんの小説を読みたいと思っています。

私の人生は、たくさんの本によってできていると言っても過言ではありません。
本当にお世話になったと感謝しています。

ですから、本の制作に関わっていらっしゃるすべての方にお礼を申し上げたいと思います。

心から、ありがとう。

これからもいい本に出会えることを願ってやみません。