朝ドラから開く記憶の扉
NHK朝のテレビ小説「ばけばけ」。
少し変わったタイトルだな、と思いながら、
その裏にある意味や人物が気になって、見始めました。
物語の中で語られる小泉八雲という人。
その名前を聞いて、ふと、昔の記憶がよみがえってきました。
初めての「大人の旅」
私が社会人になり、友人と相談して、
はじめて旅らしい旅をしたのが、島根県の松江でした。
宍道湖のほとりにある旅館に泊まり
夕食には、舟型に盛られたお刺身や
香ばしく焼かれた魚が並びました。
大人としてのもてなしを受けたようで
少し照れくさく、でも嬉しかったことを覚えています。
街を散策した中で印象に残っているのが、
小泉八雲の住まいでした。
古い日本家屋で、日本に興味を持つ英語教師として
来日された方だと知りました。
息子と巡る神々の国
それから月日が流れ、長男が社会人になり東京へと旅立ちました。
あるとき息子から思わぬ申し出を受けました。
「宍道湖に行こう」
今度は子どもに誘われて、親子三人で再び松江を訪れました。
旅の計画はすべて子どもが立て、観光タクシーを手配してくれました。
ガイドさんの案内で、名所旧跡、あまり知られていない場所まで多くの場所を巡りました。
親の立場が、少しずつ変わっていくのを感じた旅でもありました。

神々が海から舟で渡り、出雲大社に集まって
会議をすると言われている神在月。
大国主命による国譲りの舞台となった稲佐の浜(いなさのはま)や素盞嗚神社のご神木を巡り、説明を聞きながら、
改めてここは神の国なのだと思いました。
夕食は、松江の小さな料理屋で、
地元の食材を使った美味しい料理をいただきました。
二泊三日の出雲の旅。
子どもの成長や、過ぎていく年月を感じながら、
楽しく、そして嬉しい思い出として、心に残っています。

「ばけばけ」を、今見る理由
そんな経験があるからでしょうか、
今、朝のドラマ「ばけばけ」を、
とても興味深く見ています。
日本の方と夫婦になり、日本人として歩まれた小泉八雲。
本も出版され、神話や伝説、怪談などを残されました。
そこには一面の真理があり、
奥さまの協力がなければ、成しえなかったのではないかと
感じています。
言葉や食べ物、生活習慣の違いから、
互いに苦労も多かったことでしょう。
それでも、文化の壁を乗り越え、
喜びを与え合える存在であったのではないでしょうか。
思い出と重ねながら、
これからも「ばけばけ」を、
味わうように見ていきたいと思っています。
松江の街の撮影があれば、
なお嬉しかったのに……とも、少し思いながら。
